児童発達支援・放課後等デイサービスの研修・訓練

障がい福祉

障害福祉サービスの事業所は、様々な研修や訓練を行う必要があります。
年に何回実施しなければならないとか、この2つの研修は兼ねることができるとか、ややこしくありませんか?
今回は、児童発達支援と放課後等デイサービスで行う必要のある研修と訓練(シミュレーション)を整理してみました。

1 虐待防止にかかる研修

虐待防止措置では、次の3つの措置を講ずることが必要です。

  1. 虐待防止委員会を定期的に開催し、その結果について従業者に周知徹底を図ること
  2. 従業者に対し、虐待防止のための研修を定期的に実施すること
  3. 上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと

〇虐待防止委員会

虐待防止委員会は、少なくとも1年に1回の開催が必要ですが、身体拘束等適正化検討委員会と一体的に設置・運営することも可能です。

〇虐待防止の研修

虐待防止の研修は、年に1回以上の定期的な実施をするとともに、新規採用時にも行うことが必要です。
なお、虐待防止の研修において、下記2の身体拘束等の適正化について取り扱う場合には、身体拘束等の適正化のための研修を実施しているものとみなすことができます

くわしくは「虐待防止措置 何をしなければならないの?」をごらんください。

2 身体拘束の適正化措置にかかる研修

身体拘束の適正化措置では、次の4つの措置を講ずることが必要です。

  1. 身体拘束等を行う場合であって、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他の事項を記録すること
  2. 身体拘束適正化検討委員会を定期的に(1年に1回以上)開催すること
  3. 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること
  4. 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に(1年に1回以上)実施すること

〇身体拘束適正化検討委員会

身体拘束適正化検討委員会は、少なくとも1年に1回の開催が必要ですが、虐待防止委員会と一体的に設置・運営することも可能です。

〇身体拘束の適正化のための研修

身体拘束の適正化のための研修は、年に1回以上の定期的な実施をするとともに、新規採用時にも行うことが必要です。
なお、他の研修虐待防止関する研修と一体的に実施する場合や他の研修プログラムにおいて身体拘束等の適正化について取り扱う場合は、身体拘束等の適正化のための研修を実施しているものとみなすことができます

くわしくは「身体拘束の適正化措置 何をすればいいの?」をごらんください。

3 BCPにかかる研修・訓練

事業所としては自然災害時に対応するためのBCPと、感染症発生時に対応するためのBCPの、両方のBCPを策定する必要がありますが、これらのBCPは一体的に策定することもできます。 

〇BCPにかかる研修

BCPにかかる研修は、年に1回以上の定期的な実施が必要であり、新規採用時にも別に研修を行うことが望ましいとされています。
なお、感染症BCPにかかる研修については、下記4の感染症の予防及びまん延の防止のための研修と一体的に実施することができます。

〇BCPにかかる訓練(シミュレーション)

BCPにかかる訓練は、年に1回以上の定期的な実施が必要です。
なお、感染症BCPにかかる訓練については、下記4の感染症の予防及びまん延の防止のための訓練と一体的に実施することができます。                                                              

くわしくは「障がい福祉サービスの業務継続計画(BCP)」をごらんください。

4 感染症及び食中毒の予防及びまん延防止のための研修・訓練

感染症又は食中毒が発生し、またはまん延しないように、事業所は次の4つの措置を講じることが求められています。

  1. 感染対策委員会を定期的に開催し、その結果について従業者に周知徹底を図ること
  2. 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針を整備すること
  3. 年2回以上の研修を実施すること
  4. 年2回以上の訓練を実施すること

〇感染対策委員会

感染対策委員会は、おおむね3か月に1回以上定期的に開催するとともに、感染症が流行する時期等を勘案して必要に応じて随時開催する必要があります。
なお、感染対策委員会は、運営委員会など事業所の他の委員会と独立して設置・運営することが必要ですが、関係する職種、取り扱う事項等が相互に関係が深いと認められる他の会議体を設置している場合には、これと一体的に設置・運営することができます

〇感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修

感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修は、年2回以上定期的に開催するとともに、新規採用時にも行うことが必要です。
なお、感染症の予防及びまん延の防止のための研修については、上記4の感染症BCPにかかる研修と一体的に実施することも可能です。

〇感染症の予防及びまん延の防止のための訓練(シミュレーション)

実際に感染症が発生した場合を想定し、発生時の対応についての訓練(シミュレーション)を年2回以上定期的に行う必要があります。
なお、食中毒が発生した場合を想定した訓練(シミュレーション)は求められていません。

くわしくは「感染症対策 何をすればいいの?」をごらんください。

5 非常災害対策計画・避難確保計画に基づく避難訓練、消防訓練

〇非常災害対策計画に基づく訓練

火災、風水害及び地震の発生を想定した避難訓練年1回以上定期的に実施する必要があります。

〇避難確保計画に基づく避難訓練

要配慮者利用施設の管理者等は、作成した避難確保計画に基づいて、避難訓練を年1回以上実施する必要があります。

非常災害対策計画及び避難確保計画を一体的に作成した場合は、その計画に基づいた避難訓練を年1回以上定期的に実施しましょう。

〇消防訓練

消防計画作成義務がある事業所については、消防法令に基づき、火災に対する消火訓練及び避難訓練を年2回以上、通報訓練を年1回以上実施することが必要です。この場合、非常災害対策計画において火災に対する内容を策定し、訓練をする必要はありません。

くわしくは「非常災害対策計画と消防計画の関係」「避難確保計画の作成・避難訓練の実施について」をごらんください。

6 安全計画にかかる研修・訓練

安全計画は、安全確保に関する取組みを計画的に実施するため、各年度において、当該年度が始まる前に、事業所の設備等の安全点検や、安全確保ができるために行う指導等についての年間スケジュールを定めることとされています。
この年間スケジュールに、上記5の非常災害対策計画、避難確保計画に基づく避難訓練、及び消防訓練も組み入れるとともに、それ以外の範囲について策定した安全計画にかかる研修・訓練もスケジューリングし、年1回以上は行いましょう。

くわしくは「安全計画の策定について」をごらんください。

児童発達支援及び放課後等デイサービスの事業所では、1年に6回以上の研修、7回以上の訓練が必須となっています。
安全計画を策定する際に定める年間スケジュールで「いつ、どの研修又は訓練を行うのか」をしっかり決めて、忘れないようにしましょう。

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