令和６年４月から義務化される事項について

令和６年４月に実施される障がい福祉サービス等の報酬改定について、本日（R6.3.23）現在、まだ解釈通知やQ&Aなどが出ておらず、わからないことが多い状況です。
実施まで時間がない状況で様式さえ発表されていなければ、提出の準備をする時間がない！など、言いたいことはたくさんありますよね。

そのような状況ではありますが、今回は令和６年４月から義務化される事項について整理をしてみたいと思います。
もう準備をされているかとは思いますが、減算化の対象となるものもありますので、念のため、今一度ご確認いただければと思います。

令和６年４月から減算化の対象となる事項

	実施内容	未実施減算率
虐待防止措置	①虐待防止委員会を定期的に開催し、その結果について従業者に周知徹底を図ること ②従業者に対し、虐待防止のための研修を定期的に実施すること ③上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと	１％
WAM NET公表	WAM NET上で情報公表にかかる報告をすること	（※）５％又は１０％
BCPの策定及び実施	①感染症及び災害の業務継続計画（BCP）を策定すること ②定期的（年１回以上）に研修を実施すること ③定期的（年１回以上）に訓練（シミュレーション）を実施すること	（※）１％又は３％

（※）　WAM NET公表・BCPの策定及び実施については、サービスによって減算率が異なります。

減算内容・減算率	減算対象サービス
WAM NET未公表減算：５％ BCP未策定減算：１％	居宅介護重度訪問介護同行援護行動援護重度障害者等包括支援短期入所生活介護自立生活援助自立訓練就労移行支援就労継続支援就労定着支援計画相談支援地域移行支援地域定着支援障害児相談支援児童発達支援医療型児童発達支援放課後等デイサービス居宅訪問型児童発達支援保育所等訪問支援 (障害者支援施設が行う各サービスを除く)
WAM NET未公表減算：１０％ BCP未策定減算：３％	療養介護（障害者支援施設が行うサービスを含む）施設入所支援（障害者支援施設が行うサービスを含む）共同生活援助宿泊型自立訓練障害児入所施設

BCP未策定減算の算定要件・経過措置

以下の基準に適応していない場合、BCP未策定減算の対象になります。

業務継続計画（BCP）を策定すること
業務継続計画（BCP）に従い必要な措置を講じること

ただし、令和7年3月31日までの間は経過措置として、「感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備」及び「非常災害に関する具体的計画」の策定を行っている場合には、減算は適用されません。
「感染症の予防及びまん延の防止のための指針」を整備し、「非常災害に関する具体的計画」を策定済みの事業者様は、令和6年度中に上記❶及び❷を実施いただければと思います。

なお、例外として、「非常災害に関する具体的計画」の策定が求められていないサービス（訪問系など）については、令和7年3月31日までの間、減算の適用外です。

BCPの内容については、こちらの記事をごらんください。⇒障がい福祉サービスの業務継続計画（BCP)

令和６年４月から義務化される事項（減算対象外）

減算化の対象とはならなくても、義務化されている事項もあります。

サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が作成した個別支援計画を相談支援事業者へ交付すること
感染症の予防及びまん延防止のための措置を講じること
安全計画を策定すること
送迎車両に安全装置を設置すること
個別支援計画等において５領域とのつながりを明確化した支援内容を記載すること【児童発達支援・放課後等デイサービス】
自己評価・保護者評価について、運営基準で実施方法を明確化する【児童発達支援・放課後等デイサービス】
障害児等の意思の尊重、こどもの最善の利益の優先考慮の下で、個別支援計画の作成、個別支援会議の実施、支援の提供をすることを運営基準に明記し、実施すること【障害児支援全サービス】
個別支援計画においてインクルージョン推進への具体的な取組み等について記載し、実施することを運営基準に明記し、実施すること【児童発達支援・放課後等デイサービス】
訪問先と連携してインクルージョン推進について個別支援計画を作成することを運営基準に明記し、実施すること【保育所等訪問支援】
自己評価・保護者評価・訪問先評価の実施・公表をすることを運営基準に明記し、実施すること【保育所等訪問支援】
（※令和７年４月から非公表減算の対象）