障害福祉サービス事業所・障害児入所施設・障害児通所支援事業所は、消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施する必要があります。
ここではその根拠法令や訓練のポイントを見ていきます。
根拠法令
消火訓練・避難訓練
障害福祉サービス事業所・障害児入所施設・障害児通所支援事業所は、消防法施行令の別表第1で「(六)項」に該当します。
この「(六)項」にあたる防火対象物については、消防法施行規則第3条第10項で「消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施しなければならない」と定められています。
そこで、障害福祉サービス事業所・障害児入所施設・障害児通所支援事業所は、消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施しなければならない、ということになります。
そして、消火訓練及び避難訓練を実施する場合には、事前に「消防訓練通知書」等の定められた書式を使用して、管轄消防署へ提出ください。
通報訓練
消防法第8条では、「防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消化、通報及び避難の訓練の実施」「その他防火管理上必要な業務を行わせなければならない。」と定められています。
上記の消火訓練及び避難訓練とは異なり、通報訓練については必要な回数は決められておらず、消防計画に定めた回数の訓練を実施することが求められています。
しかし、どの自治体も「年に1回以上は実施してください」としていることから、年に1回以上の通報訓練を消防計画に組み込んでいただければと思います。
訓練のポイント
消火訓練
消火器具の取扱いや屋内消火栓設備などを使用した初期消火を目的とした訓練をいいます。
・消火器の使い方を覚えておきましょう
・消火器の特性を知っておきましょう
・屋内消火栓の使い方を覚えておきましょう
避難訓練
建物内の人に火災などの発生を知らせ、安全な場所まで避難および誘導をするなどの訓練をいいます。
・建物からの避難経路や、避難後の集合先を決めておきましょう
・避難後の点呼方法を考えておきましょう
通報訓練
火災の発生に気づいてから、電話による119番通報などの対応訓練をいいます。
・通報内容をまとめておきましょう
119番受付員 | 通報者 |
火事ですか、救急ですか | 火事です |
場所はどこですか | 〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号です |
何が燃えていますか | 〇〇が燃えています |
あなたの名前と 今かけている電話の番号を教えてください | 私の名前は〇〇〇〇です 電話番号は〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇です |
総合訓練・部分訓練
火災の発生から消防隊到着までの一連の自衛消防活動について、消火訓練・避難訓練・通報訓練のすべてを含んだ総合訓練を年に1回は実施し、消火訓練・避難訓練の部分訓練を年に1回は実施しましょう。
具体的な訓練の実施方法に不安がある場合や、消防職員の立会いを希望される場合は、管轄の消防署の予防課へご相談ください。
訓練実施後
訓練を実施した後は、「防火管理維持台帳」などに実施日時や実施内容などを確実に記録し、訓練実施状況を客観的に確認できるようにしてください。
火災の通報を受けてから消防車が到着するまで、平均約7分かかります。
この間、施設の利用者を火災による被害から守るために、年に2回以上はしっかりと消防訓練を行いましょう。